大塚愛と関係ないブログ

Sunday, February 26, 2006

カフェ××××

「じゃ、ここで立ち話もできないから、ついそこのカフェ××××へでも行こう」と、雄吉は意識して穏やかにいった。が、初めてそうした世間並の挨拶をしたことが、まったく利己的な安心から出ていることを思うと、少なからず気が咎(とが)めた。 雄吉が、先に立って、カフェ××××へ入っていくと、そこにいた二、三人の給仕女は、皆クスッと笑った。今出て行ったばかりの雄吉が、五分と経たぬうちに、帰ってきたからである。しかし雄吉はそれに対して、にこりと笑い返すことはできなかった。彼の心は大いなる脅威から逃れていたとはいえ、まだ青木という不思議な人格の前において、ある種々の不安と軽い恐怖とを、感ぜずにはおられなかった。

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